コラムセレクション

update 2001.08.22
アマチュアのための社交ダンス談義 <1>
「社交ダンス」ってどういうもの?

社交ダンスを始めてみようかとお考えの方、社交ダンスってどのようなものだと思っておられますか。社交ダンスとは、本来社交、つまり社会的な交際のためのダンスで、親睦、交流を図るための手段として、パーティーなどで踊られます。欧米の風習あるいは文化であり、日本にも明治時代の鹿鳴館以来取り入れられてきたのはご存じの通りです。

しかし、現在日本で広く踊られているダンスは、社交ダンスとは言っていますが、以前踊られていたもの、欧米の一般の人たちの楽しんでいるものとはだいぶ違っています。社交の手段ではなく、健康のため、あるいは競技として技を競うためのスポーツとして、ダンス自体を目的にして踊られることが多いのです。テレビで放映されているウッチャン・ナンチャンの芸能人社交ダンス部もそうです。こういうダンスは、別名競技ダンスとかダンススポーツとも呼ばれます。日本では欧米と違い、夫婦で出席するなど男女が揃って集う社交の場があまりなく、本来の社交ダンスを踊る機会が少ないのです。一方で警察当局からは「夜の社交場」でのいわゆるキャバレーダンスといった品の悪いダンスと同一視され、ダンス教室までが風俗営業法の対象とされたりしました。

こうした状況を是正しようと、ダンスの指導層はダンスを健全なスポーツとうたって普及に努力してきました。現在の日本のダンススポーツの盛況はその成果と言えますが、スポーツ性を強調するあまり、問題も出ています。

それは一般の人、特に高齢化社会の今日、中高年の人が趣味としてあるいは健康のために取り組むには難しくなり過ぎ、また体力的にも無理なものになりつつあって、ダンス本来の楽しさが失われてきたのです。また、国際化の観点からは、外国の一般の人が踊るダンスとは違うため、外国の人たちとの交流や、客船クルーズの船内パーティーなどには不向きということもあります。誰でもが、誰とでも、何歳になっても踊れる本来の楽しい社交ダンスをもっと盛んにしようという動きも出てきています。これからダンスを始めようという方は、社交ダンスといわれているものが実は一種類ではないこと、自分が目指すダンスと異なるものを始めてしまうと、目的が達せられないばかりでなく、費用や努力を無駄にしたり、身体に負担をかけたりして、途中で挫折する恐れもあることを知った上でどういうダンスをするか選んで下さい。

アマチュアのための社交ダンス談義 <2>
社交ダンスの種目

ダンスには、ワルツ、タンゴ、ルンバなど、それぞれの音楽のリズムに合わせたきまった踊り方があることはご存じの通りです。

今、日本で主に踊られているのは、ワルツ、タンゴ、フォックストロット(スロー)、クイックステップ、ウィンナワルツ(これらはスタンダード種目またはモダン種目といいます)、それとルンバ、チャチャチャ、サンバ、ジャイヴ、パソドブレ(ラテン・アメリカン種目)の合計十種類のダンス(通称テン・ダンス)です。英国のダンス教師協会ISTD(インペリアル・ソサエティ・オヴ・ティーチャーズ・オヴ・ダンス)が、それまで雑多な踊り方がされていたのを整理・洗練して技術書を作り制定したもので、英国スタイルのボールルーム(舞踏室)・ダンスと呼ばれています。それが教師資格の試験や、競技に用いられ、国際的になりました。

その他に、現在も一般的に踊られているものにブルース(またはスロー・リズムダンス)とジルバがあり、また今ではあまり踊られませんがスクェア・ルンバやマンボもあります。これらは主に米国から入ってきたもので、戦後しばらくはパーティーで盛んに踊られました。難しいテクニックを必要としないので、日本ボールルームダンス連盟が入門・初級用に好適としてテキストを作り、インストラクターの資格試験にも取り入れています。

その他にも、アルゼンチン・タンゴとかサルサなどのように、踊る形は似ていても普通社交ダンスのグループには入らないで別の所で踊られているものや、音楽と共に一時的にはやってやがてすたれていくダンスもあります。

本来、一般の愛好者がパーティーなどで踊るダンスは、その時演奏されている音楽のリズムに合うもので、周りの迷惑にならなければどんなものでもいいわけですけれど、現在ではレッスンはもちろんパーティーでも演奏される音楽はほとんど全てが前記の十種(テン・ダンス)用ですから、それ以外を踊ることはほとんどありません。

十種目のうちで特にポピュラーなのが、ワルツ、タンゴ、ルンバ、チャチャチャです。最近はサンバも人気が出てきました。フォックストロットやクイックステップもよく演奏されますが動きが大きくてフロアが混み合うパーティーなどでは踊りにくく、その代わりとしてスロー・リズムダンスやジルバが用いられます。これら六、七種のダンスの基本的なステップが確実に踊れればパーティーで十分楽しめるでしょう。

アマチュアのための社交ダンス談義 <3>
ダンスの習い方

社交ダンスを習いたいと思った場合、どこへ習いに行ったらいいでしょうか。

まず考えられるのはダンス教室へ行って、プロの教師に一対一の個人レッスンを受けること。第二は公民館などの公共施設などで活動しているダンス・サークルに入会して、そこでのグループ・レッスンを受けること、第三はカルチャー・スクールのダンス講座の団体レッスンを受講することです。

この三つの方法はそれぞれ学習者にとって長所と短所がありますから、自分の条件に合わせてよく考えた上で選ばなければなりません。

常識的に考えれば、ダンス教室へ行き、プロの教師について一対一のレッスンを受けるのが一番いいはずです。レッスン料は当然他と比べて最も高いですが、効率もいいし、それだけの価値はありましょう。ただ欠点としては、一人の教師に長くついていると、その教師とならいいけれど、他の人とはうまく踊れないという、社交ダンスとしては困る状況になることがあります。また、教室は年に二、三回パーティーを開く所が多いですが、そこで技術発表と称してデモンストレーション・ダンスを踊ることを要請されることがあります。この費用が結構大きな負担になることがあります。

教室によっては、割安な少人数のグループ・レッスンをやってくれる所もあります。同じぐらいのレベルの仲間が集まれば、これはお勧めです。

近くの公共施設でやっているサークルに入会してそこでのレッスンや練習会に参加するのは最も手軽な方法です。しかしサークルと一口に言っても実に千差万別ですから、正式に入る前にそのサークルが親睦主体なのか競技指向なのか、レベルが自分にとって無理のない程度であるか、指導者の教え方はわかりやすいかどうかなどを見極めなければなりません。この選択を間違えると挫折のもとになります。

カルチャー・スクールの一部門としての社交ダンス・クラスは、初級、中級、上級ときちんと分かれていますから、無理なく段階的学習ができる点が長所ですが、かなり大人数の団体レッスンですから、個々の指導までは手が回りません。従って受講の仕方で上達に大きな差が出ます。

いずれの方法でも、始めてみて難しすぎる、ついていけそうもない、などと感じられたら、それ以上無理をしたり、またダンスをあきらめたりしないで、情報を集め、他の所、他の方法に変えてみてください。案外うまくいくかもしれません。

Copyright (C) 2002 Byakuya Shobo Co.,Ltd. All Rights Reserved.